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第23回: 性交渉がきっかけになる感染性疾患と不妊の関係(2)

不妊治療に最も関連している性感染症は、クラミジアと言っても過言ではありません。
地域差はあるとは言え、クラミジアの発症率は非常に高い値になっています。これが妊娠の妨げになるケースが多いのです。
それでは今回はそのクラミジアについて少し踏み込んで解説してみましょう。

 

クラミジアとは?

クラミジアといっても数種類あり、一般的に知られているクラミジアは、クラミジア・トラコーマティスという種類になります。

クラミジアは細菌に分類される小微生物(直径300〜1000nm、ウイルスより少し大きい)で、グラム陰性細菌に類似した微生物です。クラミジアは特異な増殖形態を持ち、人の細胞に感染すると細胞内に進入し、細胞質内で分裂増殖を行います。48〜72時間程度で増殖し、クラミジアは細胞を破壊し細胞外へ放出され、外へ出たクラミジアは他の細胞へと入り込み、更に増殖を行って繁殖していきます。

昔は目の感染症として大流行していたのですが、衛生状態の改善により、目の感染は影を潜め、現在では最も多い性器の感染症として見られるようになりました。

※グラム陰性細菌…グラム染色と呼ばれる細菌分類のための染色法で染まらない細菌の一群。大腸菌・コレラ菌などが含まれる。

 

クラミジアの検査方法

クラミジアは、泌尿器科や産婦人科などで簡単に検査することができます

男性の場合は、早朝時の初尿または尿道内の分泌物を専用の綿棒で採取し、検査を行います。女性の場合は膣内の分泌物を採取し、検査します。

クラミジアの検出には、核酸増幅法(PCR法、LCR法)や抗原検査法を用います。
核酸増幅法(PCR法、LCR法)は、クラミジアの遺伝子を検出し、その有無を調べます。また、抗原検査法は、体内の細胞から直接クラミジアの有無を調べる方法です。
そのほか、血液検査でもクラミジアの抗体(IgA、IgG)を調べることで、感染を知ることができます。しかし、検査の判定に時間がかかるうえ、治癒した後でも反応する可能性があるため、感染中なのか治癒後なのかが分からないこともあります。

よって、過去に感染の既往歴があったかなどを判断するためには有効ですが、現在の感染を正確に診断するためには尿検査や綿棒で検体を取る検査をおこなう必要があるようです。

また、最近では病院に行くのが困難な人や、抵抗がある人のために、インターネットなどから自己検査キットを購入することも可能になりました。こちらも病院の検査と同じように、尿や分泌物などを自身で採取し、検体を郵送することで感染の有無を調べることができます。

しかし、摂り方が不十分だったりすると正確な結果が得られないため、なるべく病院で検査をすることをお勧めします。

 

クラミジアと不妊の関係

女性がクラミジアに感染した場合、その体の構造から速やかに上腹部へと感染が浸透していき、短期間に腹腔内へ波及する恐れがあります。
感染初期には自覚症状がない場合が多いので、知らないうちに長期間を経て骨盤腔へ波及し、卵管閉塞、卵管周囲癒着を引き起こし不妊症の原因となる傾向があります。

女性不妊症患者の所見をみると、クラミジア抗体陽性者の半数以上に、卵管周囲の癒着や卵管閉塞があるといわれております。また、妊婦に感染するとプロスタグジンを活性化させるので、陣痛誘発させ、妊娠初期では流産の原因となり、妊娠中期では早産の原因となっています。

クラミジア感染による不妊原因を進行的に細かくあげると下記のようになります。


女性の場合

1)卵管上皮細胞の損傷(卵管内の障害)

子宮頸管炎から上行性にクラミジアによる感染が卵管に波及すると、卵管上皮細胞の損傷が起こります。具体的には卵管上皮細胞である線毛細胞の線毛が障害され、その結果、卵管機能の一つである受精卵の輸送が障害されます。


2)卵管周囲癒着の発症(卵管外の障害)

卵管炎から炎症がさらに拡大すると腹腔内に感染が広がります。この腹腔内感染が卵管の外側すなわち卵管周囲の炎症を引き起こすと癒着が発症します。卵管周囲癒着が発症すると、卵管の可動性を損われるために卵のピックアップが障害されます。
すなわち、排卵された卵を卵管内に取り込むことが出来ない状態になります。また、癒着のために卵管の蠕動運動が制限されために、卵の輸送が障害されることにもなります。


3)卵管閉鎖さらに卵管留水腫・留膿腫の形成

卵管采に感染が及ぶと炎症のためにこの部分が閉鎖してしまうこともあります。閉鎖した後にもさらに炎症が持続すると炎症性分泌物が卵管内に貯留し卵管は腫大します。
卵管内の貯留液が膿の場合には卵管留膿腫と呼ばれ、さらにこれが水溶性に変化した場合には、卵管留水腫と呼ばれます。これらによって卵管が閉鎖していれば、妊娠は不可能になります。


男性の場合

男性の場合、体内でどんどん増殖が進んでいくと、尿道から精管、精巣上体にまで感染が進みます。そして副睾丸炎(精巣上体炎)をひきおこし、無精子症などの不妊の原因となります。

 

クラミジアの治療方法について

クラミジアの治療には、以下の抗生物質が推奨されています。

●テトラサイクリン系抗生物質(製品名:ミノマイシン、ビブラマイシンなど)
●マクロライド系抗生物質(製品名:クラリス、クラリシッド、ジスロマックなど)
●ニューキノロン系抗菌剤(製品名:クラビット、バクシダールなど)

通常、内服薬を用います。
服用期間はだいたい1〜2週間ですが、マクロライド系抗生物質のジスロマックだけは1日の服用で済みます。また、腹膜炎を起こしている時は点滴の治療となることもあります。妊娠中は「ジスロマック、クラリス、クラリシッド」などを用います。 薬の選択肢は多様なため、医師と相談し、自分に合った薬を選択することが大切です。

「ジスロマック」は、2004年にクラミジアに使用することができるようになった新しい薬です。従来の抗生剤は、約2週間にわたって1日2〜3回の服用が必要でしたが、ジスロマックは1回に4錠(1000mg)を飲むだけで7〜10日間、血中濃度が持続されるため、一度の服用で効果があります。
クラミジア治療では最も注目されている薬剤です。

治療において注意して頂きたい点としては、服用中に症状が改善し、治ったような感じになることがあります。しかし、症状がなくなっても中途半端な服用では菌は完全になくなりません
よって、自己判断で中断してしまうことで残った菌が再び繁殖し、症状が再発するほか、感染を蔓延させる原因となります。
完全に菌を除去するために、処方された薬をきっちりと服用すること
が大切です。

それからもう1点、大事なことがあります。
「夫婦の場合、両方が同時に薬を飲んで治療すること」です。

そうしないと片方が保菌者なので、お互いにずっと治らない状態(ピンポン感染)になってしまうからです。

 

花

<最後に>

これまでに述べた通り、クラミジアには自覚症状がほとんどありません。
そのため、症状が出るまで放置してしまったり、性感染症ということで通院に抵抗があり、治療しないままにしてしまうケースも少なくない疾患です。

しかし、そういった行動はさらなる感染を広めるだけに過ぎません。よって、まずはかからないための工夫を身につけること、そしてかかっても早期発見・早期治療を心がける必要があります。

クラミジアにならないためには、コンドームを使用することパートナーを固定化させること定期的に検査する他心当たりがある場合は、すぐに受診するようにしましょう

それから・・・
クラミジアが分かった時に、どちらがもらってきたのかと大喧嘩になることがあります。しかし、過去のことをお互いになじっても仕方がないことです。
前をむいて、お互いに治癒する事を考えることが大事だと思います。


ぜひ頭の片隅に置いておいてくださいね。

 

■コラム執筆  池上文尋  氏

〜「All About」の不妊症ガイド〜
85000人のファンを抱える人気メルマガを執筆中。

池上文尋

 

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